「0戦…それは、日本が世界に誇った戦斗機である…そして、その名はわれらの中西鉄也が、斗志とスピードの上に栄光とかがやく名前である。…」

FILE#2「0戦チャンピオン」(画:吉田 竜夫)




ぼくら連載/1962年8月号〜1963年9月号 ※高森朝雄名義
資料提供:BOSSさん、TANOZIさん(感謝!)


●あらすじ:
中西鉄也は、ハワイの真珠湾で興行するサーカス団の花形空中ブランコ乗りだ。元ボクサーのジミー・スミスに才能を見い出されボクシングを始めた彼は、O戦の名パイロットである父の戦法を応用した必殺パンチ“十字3段打ち”で勝利を重ね、また危機をも乗り越えていった。ニューヨーク選手権で見事王座に輝いた鉄也は、父母の故郷・日本のボクシング界を新たな活躍の場にするべく、スミスコーチや娘のマリ−、親友の三平らと共に帰国を果たした。初めて体験する減量の苦しみにも打ち勝ち、連勝を重ねる鉄也の前に、力道山が天才と認める怪少年・大神タケルが現われた!ついに激突した2人。結果はタケルに“十字3段打ち”を破られた鉄也の敗北に終わる。己の未熟さを恥じ、猛特訓を積み重ねた鉄也は新しいパンチ“十字5段打ち”で見事タケルに勝利した。心のたたかいにも勝ち、ボクサーとしてひとまわり成長した彼は更なる戦いに挑んでいく。太平洋タイトルマッチを制し、見事フライ級王座を勝ち取った鉄也。真珠湾を望む父の墓を訪れた彼は更なる目標・世界の王座に向けて闘志を燃やすのだった。

●BONはこう読む!:
当時連載中のヒット作『チャンピオン太』と同コンビによる、題材をプロレスからボクシングに変えて作られた“チャンピオン”シリーズ第2弾。
だが『チャンピオン太』での力道山にあたる、主人公の師となるキャラクターの不在や実在する人気選手を物語に織りまぜる事があまりなかったため(差別化として敢てそうしたかも知れないが)、作品の荒唐無稽さがより際立ってしまった。それでも減量の苦しさをエピソードとして紹介するなど梶原氏の得意ジャンルであるボクシングを漫画作品として成功させようとする意欲は感じられた。同じ高森朝雄名義で書かれるボクシング漫画の名作『あしたのジョー』が登場するのはこの6年後である。


●単行本:
宏文堂出版刊/全5巻 ※1963.7月号途中まで収録

●その他:
単行本タイトル:
第1巻「荒修業の巻」
第2巻「挑戦の巻」
第3巻「戦艦大和の巻」
第4巻「無敵巨人の巻」
第5巻「竜虎対決の巻」