「この巨大なとらを人間たちは王大(偉大なる王)とよんでいた まさしくこのとらには ひたいに「王」首すじに「大」の二文字が とら特有の黒いしまもようによって えがきだされていた」

FILE#18「偉大なる王」(画:古城 武司)



週刊少年マガジン連載/1966年11号〜18号 ※15号は休載 ※資料協力:BOSSさん(感謝!)

●あらすじ:
中国大陸の北の果ての村・興安嶺にはかつて王大(ワンダイ)と呼ばれる一匹の虎が、村の神として崇められていた。だが、村へ猟銃の手解きに雇われたロシア狩猟界の鬼・ニキタの罠によって王大は命を落とし、彼の妻や3人の息子虎は行方をくらました。しかし1年後、息子の1人が父を殺した人間・ニキタへの復讐のために、2代目王大として再び興安嶺に戻ってきた。その頃、村の麓ではロシアの会社による鉄道施設の工事が行われ、村人はニキタに安い賃金でこき使われていた。復讐を果たさんとする王大だったが、村の幼い子供とともに小屋に捕らえれてしまう。彼を村の神として再び崇めさせないために、餌を与えず子供を喰わせようと企むニキタだが、3日に及ぶ空腹にも毅然と耐え、尚も子供を庇う姿に心打たれ改心する。復讐を果たし、小屋から解放された王大は、資材を積み人間を乗せて走る黒い物体(列車)が自分を狙う新たな敵と思い突進!慌てた機関士が運転場を離れたために列車は暴走し、王大は一緒に積んだ火薬や資金もろとも爆死を遂げる。結局、工事は中止され興安嶺に平和が訪れた。幼い子供は、偉大なる王大の墓に祈りを捧げるのであった。

●BONはこう読む!:
私は原作を読んでないので、もともとの展開なのか梶原氏の脚色なのか分からないけど、2代目・王大と子供の小屋のシーンが梶原的だった。捕われた者が肉体的な苦痛に与えるだけでなく、他者への身替わりも拒むシチュエーションは、後年の梶原漫画の(リンチ場面の)定番だが、こんな昔から出ていたことに驚いた。終盤、王大の行動を説明する台詞がやや不足していたので、何処か唐突な感じで物語が終わったように感じる。動物を主人公にした漫画の難しさだろうか?

●単行本:
コミックメイト「偉大なる王」(※全1巻)に収録。

●その他:
※バイコフ著「偉大なる王」をベースに脚色
※連載最終回にあたる頁は掲載誌をベースに新たに書き直したと思われる。(コマ割りやネームは同じ)