「力道山さんが豊登さんをかばって ひとりでもたたかおうとなさってるいるように…ぼくもくるしい生活にまけず 妹をまもって つよくただしく生きていきます」
FILE#10「空手にかけたちかい」(画:荘司 としお)

ぼくら/1964.2月号読切 ※情報協力:rutlandさん ※資料協力:big noseさん
●あらすじ:
アジア=タッグ選手権試合で豊登とタッグを組み、グレート&ザ=サタンの化け物コンビと試合をした日本プロレスの王者・力道山。試合は反則勝ちに終わるが、執念深いグレート&ザ=サタンのコンビは2週間後に再戦を申し込んだ。試合後、力道山は両親のない幼い兄妹と出逢う。大ファンの力道山に握手され有頂天の兄・光雄は、はしゃいで道路に飛び出し車に轢かれてしまう!幸い命は取り留めたものの、失明の危険に晒される光雄少年。幼いファンの無事を願い、力道山は次の試合に必殺技・空手チョップなしで戦う決意をする!そして2週間後の再試合。前回グレート&ザ=サタンコンビの反則技に痛めつけられた豊登は出場するのが精一杯で、力道山は1人で2人と戦わなければならない。グレート&ザ=サタンコンビの狙いはそこにあったのだ。自ら必殺技を封じた為に苦戦する力道山。だが、無意識に繰り出した関取時代の技で危機を脱出!ザ=サタンはリング上にノビた。勢いに乗った力道山はグレートを押し倒すと、ザ=サタンを担ぎ上げてその上に飛び乗るという大技でノックアウト!その頃病院では、力道山の願いが天に届いたのか光雄少年の視力が回復する。幼い兄妹に再び笑顔が戻るのだった。
●BONはこう読む!:
正確なデータがないので断言は出来ないが、本誌2月号は月刊誌の通例にならい1964年の1月発売だと思う。故に本編が執筆されている(と思われる)1963年12月には力道山は死去、または入院中であると思われる。幼い1ファンが失明(本編では“め●ら”)しないように、と自らの武器を封じる事で願をかける力道山。だが実際には、幼い少年を含む全国のファンから奇跡の生還を願われる事になるとは、原作を書いた梶原氏も想像できなかったであろう。そんな事を考えながら読むと、最後のコマの力道山や少年の笑顔に哀愁を感じてしまうのだ。
●単行本:未刊行
●その他: