「参謀長はこの菊水3号が かならず救出してみせるぞ  中野学校に敗北の二字はない!」

FILE#16「忍法太平洋戦記 姿なき英雄」(画:荘司 としお)



週刊少年マガジン連載/1965年42号〜46号

●あらすじ:
太平洋戦争突入が迫る昭和16年。矢吹隼人陸軍二等兵は、米国人を憲兵から庇って絞首刑となる。だが、謎の軍人の手引きで密かに救出されられた隼人は、中野学校へ連れられ軍事スパイとなるべく、厳しい特訓の日々をおくる。「菊水3号」という新たな名を与えられた彼は、その優れた運動能力により抜群の成績で卒業した。他の卒業生と同様、様々な武器を搭載した記念のトランクが渡される。フィリピンへ飛んだ菊水3号の初使命は、戦地を勝利に導く為に影から支える事と、隊の要である参謀長の身を守る事。しかし進撃中に敵の反撃を受けた混乱に乗じ、参謀長がさらわれてしまった!もし参謀長が拷問により機密を話せば戦局は逆転してしまう。参謀長を救出すべく、立ち上がった菊水3号は、参謀長に取り付けた発信機を頼りに敵軍の大要塞の位置を突き止める。映写機を使ったトリックや、風船爆弾等を使って敵軍を混乱させ、最後は大空忍法で参謀長を救い出した菊水3号の初任務は成功を収めた。そして運命の昭和20年8月、日本に原爆が投下される数日前。アメリカ空母が、謎の爆破により沈没する事件が起きた。沖縄の沖に浮かぶ菊水3号のトランクが意味するものは?彼は任務を果たして散ったのか?中野学校がもう5年早く出来ていたら、あるいは太平洋戦争の勝敗は逆転していたかもしれない…。さらば!菊水3号。

●BONはこう読む!:
「忍法太平洋戦記 空母島」に続く第2弾。読みきりだった前作と異なり、全5話の短期集中連載という事で物語の展開にメリハリがあった。本部の指令を受け、数々の忍法を使って参謀長を救う主人公の格好良さを描く事に重点を置いたのは分かる。しかし主人公の最後の活躍が、わずか数コマで語られてしまうのは勿体無いと思う。それにしても戦争の悲惨さが微塵にも感じられず、人の死さえサラリと描いているのは時代背景なのだろうか?それとも作画の荘司としお氏のタッチによるものなのか?たぶん両方なのだろう。


●単行本:未刊行

●その他: