「殴り…殴られても友情はおわらん! 友情の墓場はたがいに図にのって干渉をはじめた時だ それも…おためごかしだか おおかたが自分の利益のためにね!」
FILE#57「狼よ!なぜ走る」(画:つのだ じろう)

スポーツニッポン新聞/1969.10/26〜1970.2/3(全100回) 資料協力:BOSSさん(感謝!)
●あらすじ:
プレーボーイのレーサー・司光一郎 、寡黙なジョッキー・赤月将介、純朴なスキーヤー・男谷洋平。スピードに命をかける共通の世界で生きる3人の男たち。彼等が対面を果たした「狼」というクラブで出逢った絶世の美女・円城寺晶子。関西一の電機メーカー、R電機社長の2号で気品と美貌と一抹の驕りさえかねそなえたその女性に男たちはたちまち心を奪われる。だがそれを自覚しながらも危険な魅力から逃れるように自らの世界に3人は挑んでゆく。しかし、R電機社長の急死によって晶子がひとり身となった事で、彼等は野望実現による栄光を手に彼女を射止めようと動きだした!男谷の選手権優勝、赤月の中央競馬界挑戦、そして司のフォーミュラ−F1クラスの制覇。幾多の挑戦のなか一番先に実現した男谷が晶子にプロポーズする。一方、F1グランプリが日本で開催する知らせが司に届き、その勝利を条件に彼も晶子にプロポーズする。そして赤月も。晶子は3人の男たちの求愛の返事を、司のF1レースの終了後に決める事にする。激戦の末、見事栄光の座を手にした司だが、ゴール直後にオーバーヒートにより車が炎上し爆破し命を落としてしまう。司の葬式に訪れた赤月と男谷は、自分たちを走らせたモノの正体について語り、晶子は3人の男たちの闘う姿に何を
見ていたのかに気付く。その後、それぞれの戦場に戻っていった3人。いつの日か、彼らが再び出会う日は訪れるのだろうか…。
●BONはこう読む!:
キャラクター性格や台詞回しも完全な梶原テイストに溢れているのにイマイチ評価しずらい作品。毎日掲載される新聞連載のためか、梶原氏得意の続きを読ませる「ひき」を上手く作れずに、ラストのF1レースシーン以外大きな山場らしきものがなかった事も理由だと思う。主人公(だよね)の司はともかく、他の2人(晶子も含めれば3人か)の生活背景が不足しているので、感情移入がしずらかった。単行本の解説によれば作画を担当したつのだじろう氏との共同作品らしいが、それが作品として良い結果を残せたのかどうかは疑問だ。
●単行本:
曙コミックス全2巻
●その他: