「勝利の美酒というものは のめばのむほど のどがかわく だからこそチャンピオンは 死ぬまで戦いぬくのだ」

FILE#49「キックの鬼」(画:中城 けんたろう)



少年画報連載/1969.2月号〜1970.18号(第一部)
       1970.20号〜1971.8号 (第二部)
資料協力者:BOSSさん(感謝!)

●あらすじ:
大学空手界チャンピオン白羽秀樹はタイ式ボクシングの強さに触れ、「沢村忠」としてキックボクサーへ転身を決意する。キックボクシング旗揚げ第一戦を見事KOで飾り、東洋チャンピオンとなった沢村。彼をキックに導いた野口ジム会長から必殺技開発を命じられ、持ち前のバネを活かしたキック技「真空とびひざげり」を完成させる。必殺技の威力は凄まじく、沢村の連勝は続く。と同時にTV放送も始まり、日本にキックボクシングブームが訪れる。好事魔多し!マスコミを巻き込んだハードスケジュールによって連勝を止められてしまう。この悔しさを更なる精進で乗り越えた沢村は、再び連勝記録を伸ばしていく。次々と倒されるタイ選手に怒った大興業師ラジャマハーは、プロレスラー・キング=コングを特別コーチに招いた。選手達にプロレス技を仕込み日本へ送り込むラジャマハー。しかし彼の野望は、キング=コングの突然の事故死によりピリオドが打たれた。これ以降も連勝を重ねる沢村は、ついに100連勝・100連続KOという前人未到の大記録を達成するのであった!キックの鬼・沢村忠。彼に不屈の挑戦の姿勢がある限り、日本中のファンは支持し熱狂してやまぬであろう。

●BONはこう読む!:
前半部は、同時期に連載された「キック魂」に比べ(多少の脚色はあるが)ほぼ事実に忠実な展開となっている。また時折インサートされる少年時代のエピソードは掲載誌の読者対象である児童への考慮だろう。注目は後半部。キックが社会に認知され、尚も連勝を続ける事が物語に起伏与えづらくなった事から、梶原氏のオリジナルが盛り込まれていく。中でも白眉はキング=コング編。タイ国の陰謀を叩き潰す沢村の活躍はシンプルな勧善懲悪っぽくて楽しめる。アニメの終了にあわせるように連載も終了(後に掲載誌は休刊)が決まり、やや唐突な終わり方ではあるが現役のスポーツ選手を題材にした 漫画としては無難な感じなのだろう。

●単行本:
少年画報社刊/ヒットコミックス 全6巻
(※1巻のみ原作者表記は「高森朝雄」)
道出版刊/梶原一騎原作漫画傑作選 全3巻
松文館刊/別冊エースファイブコミックス 上下巻
(※タイトルは『格闘技王 沢村忠 キックの鬼』※道出版のダイジェスト)

●その他:
◎連載開始時の原作者表記は高森朝雄。途中から梶原一騎に変更。※詳細不明
TV化(アニメ)1970.10.2〜1971.3.26(全26話)