「もしほんとうに未来人の超能力をぼくがもっているなら その能力を野球にいかすことはできないものか」

FILE#12「未来人 王」(画:古城 武司)




週刊少年マガジン読切/1964年35号

●あらすじ:
昭和36年。読売巨人軍の王貞治選手は、試合中のケガによる危機的状況で、予知能力が働き相手投手の考えが読めるようになる。だが思い返せば中学生時代にも、同じような能力が働いたことがあったのだ。「自分はもしかして未来人が持つと言われる能力を授かっているのか?」それが野球に活かすことができれば、打者としてもっと大きく成長できると考えた王。様々な方法で試してみるが、未来人の能力は5回に1回しか働かない。苦悩の末、荒川コーチに相談すると変則打撃のフォームにより常に自分を不安定な状態に追い込む事で能力を発揮する打法。すなわち一本足打法を会得することを薦めるのだった。それから、荒川コーチとの二人三脚の特訓はシーズンオフの期間中続けられた。そして昭和37年、自らの能力を開眼した王は一本足打法でホームランを量産し巨人の不動の3番打者となりホームラン王にも輝いた。続く38年には前年に続き連続ホームラン王となる。そして39年、阪神戦において1試合3連続ホームランという日本タイ記録をマーク。新記録達成をかけた第4打席、未来人の能力を会得した王には恐いものはなく、相手投手の球種見抜き見事ホームラン!新記録を達成したのであった。

●BONはこう読む!:
自分が未来人の能力を持っているのか確かめるために、絆創膏で目を塞いだ上にさらに目隠しをして車を運転。突き当たりの下は断崖の海という坂道を走らせ、一度は成功するが二度目は失敗。海に転落し、車は大破・沈没するが、何事もなかったかのごとく「やっぱりだめだ…」と王さんが岩場で落ち込むという一騎イズム溢れる名シーンが見どころ。「死ぬだろ普通!」なんて言うツッコミ入れるのは梶原漫画を読む上ではヤボというものです。ダイナミックな嘘を楽しむ、これが基本ですね。

●単行本:未刊行

●その他: