「いや 宮本武蔵は たしかに 忍者でもある」
FILE#4「忍者 宮本武蔵](画:どや たかし)

週刊少年マガジン読切/1963年34号
●あらすじ:
慶長の年の頃、野原で遊ぶ子供達の前に現れた三度笠の男。彼は子供達に宮本武蔵は忍者でもあり、佐々木小次郎も忍法で敗ったと語るのだ…。ある果たし合いを、空を飛ぶ術で倒した武蔵の前に現れた小次郎。武蔵を倒し日本一の剣豪の座を手に入れるのは自分だと豪語する小次郎に、つばめ谷のつばめを斬る程の腕前になれば戦うと約束。一方、小次郎を父の仇と付け狙う少女は、易者が教えた仇討ちの方法を試すべくつばめ谷へ向い、技を磨く小次郎に気付かれない様に白ユリを投げた。花が彼の刀の動きをすりぬけ頭の上にのったその時、「つばめ返し」は完成したのだった。そして運命の巌流島の決闘の日が来た。武蔵に襲いかかる小次郎の「つばめ返し」!その時、武蔵は小次郎にむかい白ユリを投付け、花の軌跡を追うように木刀を降り下し、頭上にのった花もろとも打ち据えられた!!勝負は武蔵の勝利に終わる。小次郎につばめ谷へ向わせた事も、少女にユリを投げさせた事も(易者は武蔵の変装)全て小次郎を敗る忍法だったのだ…。話終わる男に突然襲いかかる侍が斬った三度笠の中から現れた顔。何と男は宮本武蔵だった。侍をあっさり切り倒すと、驚く子供達に別れを告げ武蔵は何処となく去っていった。
●BONはこう読む!:
この話のミソは宮本武蔵が忍者であった事よりも、巌流島の決闘は小次郎が武蔵に戦いを挑んだ時にすでに術(忍法波よせの術)にはまっており、実はこの時点で小次郎は敗れていたという所にある。その伏線であるつばめ谷への誘いや、易者に変装して少女を利用したつばめ返しの弱点作り等の構成が弱くて一度読んだだけではその意味がよく理解できなかったりする。しかし、歴史上の人物に空想の設定を当て込む発想は面白いし、空を飛んで敵を斬る武蔵の絵は凄いインパクトだ。
●単行本:未刊行
●その他: