「嵐があるからこそ虹もある 嵐のあとなればこそ虹は美しい 人生もまたしかり 試練の嵐のかなたにだけ 人は七色の虹を見ることができる」

FILE#50「ミュンヘンの虹」(画:峯岸ひろみ)



セブンティーン連載/1969年13号〜24号
●あらすじ:
教護院という名の、格子なき牢獄の中で自由を求め願う少女・星川真実。昭和43年暮れ。来日した世界体操界の女王ベラ・チャスラフスカの演技会場を観戦した事が、彼女の運命を決めた。日本体操界悲劇の男・蒼木狼介との出逢い。真実の才能に魅かれた狼介は、教護院へ出向き自らコーチを申し出た。彼に反発し体操に興味を示さない真実だったが、自分にかける狼介の情熱に触れた事で改心。4年後のミュンヘン五輪制覇の夢を共に追いかける事を誓う。こうして始まった厳しい特訓の日々。やがて迎えた退所の日。真実は彼女に想いを寄せる青年・森谷の家に引き取られ、体操の名門校・霞ヶ丘高校への転入試験合格を目指す。だが、彼女は勉強によってではなく、PTA会長令嬢にして霞ヶ丘体操部のヒロイン・白川亜紀の弱味を握ることで入学を果たそうとした!それを知った森谷と狼介の必死の説得で、正々堂々と試験を受け入学を目指すため猛勉強を開始するが結果は不合格に終わる。罪を悔い全てを告白した真実に、亜紀は補欠合格として編入を取りはからった。それは傷つけられた自尊心の復讐の為に、真実をシゴく目的だった。だが、体操に全身全霊をかける彼女のひたむきさに打たれた亜紀は非礼を詫びる。ミュンヘンの虹を目指し、真実は新たなスタートラインに立ったのだ…。

●BONはこう読む!:
スポ根ブームの真只中。梶原氏が最も多望な1969年の連載でありながら半年間(全12回)で終了というのは早すぎる。登場するキャラクターやストーリー展開は、まさしく梶原ワールドな訳だが、少女雑誌という場ではかなり浮いた印象を受ける。それは特に、少年誌での主人公と師の関係を、そのまま当てはめてしまったことが原因のように思う。(強引に髪を切ったり、食事を制限させたりする展開にはヤリ過ぎな印象を受ける)“全てを捨て、目的にむかう”という考えは、少女読者に受け入れずらいのだろう。

●単行本:未刊行

●その他: