「エーイ 一たす一が 三や四にゃならんまでも きまりきったことよりは ゼロをえらぶのが 男の勝負…!!」

FILE#56「モーレツ!巨人」(画:石井 いさみ)



報知新聞連載/1969.11/4〜1970.3/31(全145回)  資料協力者:BOSSさん(感謝!)
●あらすじ:
逃げの外角球を嫌い、責めの内角球のみ抜群に強いという荒削りの打撃センスを持つ高校生・千波竜介。アンチ巨人の彼が、多摩川グラウンドに姿を現した。投球練習中の球をいきなり打ち込むと、川上監督に巨人打倒を宣言。だが、彼の打撃センスに目を付けた川上にドラフトで指名されてしまう。ならば巨人で大物になり堂々と敵球団に移籍してやれと入団を決めた千波は、待ち受けたシゴキ・特訓の嵐を乗り越えていく。ある2軍戦でミスを重ね落ち込む彼の前に、巨人OBを名乗る謎の男が現れた。球界を去りながらなおも深く巨人を愛する男の熱意ある打撃アドバイスに触れ、また本場大リーグの王者との日米決戦という巨人の壮大な目標を知った千波は、巨人の選手であることに誇りを持ち、新たな気持ちで練習に打ち込むのだった。努力は認められ1軍キャンプに参加した千波は、猛打を振い一躍マスコミの人気者となるが、気のゆるみから女性との無断外泊を引き起こし、降格の危機を謎の男によって救われる。自己の甘さを反省し、更なる精進を重ねる千波はバットマンとして成長していく…。昭和45年のオープン戦の活躍で、王・長島に続く5番打者としてSFジャイアンツとの日米親善試合に起用された千波。他の選手が米国パワーに圧倒されるなか、侍ガッツで貴重な一発を叩き出した!歓声に包まれる千波竜介。このモーレツな男の行く手に待ち受けるのは…花か?嵐か?

●BONはこう読む!:
千波竜介というアンチ巨人なキャラクターが、番場蛮から遡ることおよそ1年も前に誕生している事に注目したい。当時は「巨人の星」も連載中で人気も絶好調ゆえに、この異色なキャラは読者にどのように受け止められたのか分からないが(まえがきでは好評と書かれているが)、私個人には石井氏の描くタッチが何処かキャラクターを優等生に見せてしまい、台詞や行動に違和感を感じてしまった。掲載誌の読者層の違いから、いささか地味なストーリー展開だったり、ペナントレースでの活躍が描かれないまま終わってしまったのは残念だ。

●単行本:
報知新聞社全1巻

●その他:
連載開始の前哨戦として『モーレツ!巨人・日本シリーズをゆく』という観戦記(挿し絵:石井いさみ)を連載。

(1969年10/26.27.28.30.31.11/1.3)