「生きてかえれないなら…自爆あるのみ…」

FILE#15「忍法太平洋戦記 空母島」(画:辻 なおき)



週刊少年マガジン読切/1965.36号

●あらすじ:
昭和18年8月。ラバウルに最前線航空隊基地を持つ日本軍はアメリカ軍の攻撃に悩まされていた。戦艦・駆逐艦等の大艦隊に守りを固められ、悪魔の秘密兵器といえるレーダー付高射砲を備えた空母島には先手攻撃を仕掛けようにも通じないのだ。内地から来た記者に説明する攻撃隊長に隊員がその記者が偽物であることを告げる。囲まれた記者は隊長を人質に取りゼロ戦を奪った。彼の名は南条義彦。中野学校を卒業後、桜1号と呼ばれ空母島に潜入し、高射砲を破壊する任務を帯びていた。日本軍との空中戦で負傷し、ゼロ戦の機密を知りたがる敵軍に救助された桜1号。しかし彼の正体はすでに敵に知られており、牢屋に捕らえられしまう。服装に仕込まれた万能アイテムで脱出する桜1号は、途中銃撃で負傷するがゼロ戦に爆弾を繋げ飛び立つ。高射砲目がけ爆弾を落とすも失敗。ゼロ戦に浴びせられる嵐のような砲弾。出血がひどくなり意識が遠くなる桜1号。エンジンも破壊された彼に残された方法は「特攻」あるのみだ。炎に包まれるゼロ戦ごと高射砲に突っ込み、見事破壊に成功。まだ若い命が、人知れず散っていった。しかし、その働きを知るものは…誰もいない。悲劇の英雄・桜1号。

●BONはこう読む!:
タイトルにある「忍法」とはどの辺を差すのか?敵軍に捕らえられた際に脱出の成功に導いた数々の武器だろうか?それとも中野学校で育成されてるというスパイの事なのか?戦記ものに疎いもので、中野学校の実情や桜1号と呼ばれるスパイの存在も真実は分からない。ともあれこの後「姿なき英雄(忍法太平洋戦記第2話)」、「特攻3万メートル」へと続く戦記物の原作のノウハウを試行錯誤しているのが分かる。本作では主人公の心理描写には重点を置かれていない。その分悲劇の色合いは薄くどこか淡白な印象を残す。


●単行本:未刊行

●その他: