「これは児童漫画界に青春をたたきつけ 血みどろのまんが修業をとおして その作品にも人生にも 男の条件を追求しぬいた ある若い魂の記録である」
FILE#40「男の条件」(画:川崎 のぼる)

少年ジャンプ連載/1968.10号〜1969.19号 資料協力:BOSSさん(感謝!)
●あらすじ:
旗一太郎は工場で働く青年だったが、人気漫画家・青山に精密なデッサン技術を認められアシスタントになる。ある日、〆切りに追われる青山の手伝いとして友人で漫画家の男谷草介が招かれた。赤貧に甘んじながらも己の信念を貫く男谷の態度に魅かれた一太郎は、彼に弟子入りする。広場で遊ぶ子供達に見せ、好評を得た自作紙芝居漫画「おれたちの旗」の噂は出版者の耳に届き、一太郎にデビューの話が舞い込む。しかし、青山の元アシスタント・月影光にストーリーを盗まれ、一足早く発表された事からデビューのチャンスを失ってまう。叶わぬ夢に焦り信念を曲げた小手先の漫画で入選するが、自らを反省し辞退。その態度に魅かれた弱小出版者社長・夢野から作品執筆の依頼を受けた一太郎は恩師の男谷、友人の大地の協力により「ある無名まんが家の戦い」を完成させる。わずかな部数で発売された一太郎の入魂作は、地道に増刷を重ね、静かなブームとして新聞にも取り上げられた!次回作に意欲を燃やす一太郎に、恩師・男谷は声援の代わりに、5カ条からなる男の条件を話して聞かせる。これから始まる一太郎の漫画家修行を祝福するかのように朝日が綺麗に昇り始めていった…。
●BONはこう読む!:
呆れるほどのストレートなキャラクター達による、迷台詞や珍行動のオンパレード。たしかに表面だけ読めば児童漫画界にスポ根の要素をミックスした異色作に見える。しかし台詞や物語構成をじっくりと丹念に追っていく事で様々な発見がある隠れた佳作と言えよう。「仕事とは?」「友情とは?」「信頼とは?」などといった難しいテーマに、原作者も漫画家も意欲的に取り組んではいるが、そうした「人生の日常」をエンターティメント化するにはまだ技術が不足していたようだ。
●単行本:
集英社刊/ジャンプコミックス全2巻
●その他:
単行本収録にあたりカットされた、幾つか未収録の頁も存在する。