「ハリス無段 風巻竜は弱い 弱い! 弱いのだ まだまだ弱いが 柔道ひとすじに生きてゆくぞー」

FILE#8「ハリス無段」(画:吉田 竜夫)



週刊少年マガジン連載/1963年51号〜1965年15号

●あらすじ:(サンデーコミックスバージョン)
講道館柔道を否定し、無敵の新しい柔道をつくりあげる信念を胸に単身九州から上京した少年・風巻竜。科学的柔道を研究するハリス博士。この2人の出会いによってハリス流柔道は旗揚げされた。必殺技“ハリス流スクリュー落とし”を引っさげて日本選手権大会に参加した竜は、怪柔道家・闇剣之介を倒して優勝を飾る。若き天才・舟木明との対決では必殺技を敗られたが、柔道の真の精神を学ぶ。真派・柔術新撰組との争いの末、更なる研究のため博士は故国に帰ってしまい、竜は独りハリス流を続けなければならない。盲目の強敵・パーフェクトとの死闘を経て、オリンピック特別級に参加した竜は新秘術“五輪回転投げ”で見事金メダルを勝ち取った。オリンピックの英雄として一躍有名人になった彼の前に立ちはだかる逆流・天童三郎太!自らの功名心から戦いを挑んでくる彼を避ける為、竜は故郷熊本へ帰る。柔道の師・梅ぼし和尚との再会、東京から竜を付け狙う三郎太。和尚の持つ秘術を巡り2人はついに対決する!己の弱さを認め、無欲で闘うことの大切さを悟った竜はついに秘術を会得する。邪道の逆流は敗れた。しかし2人の間に友情は築かれ、柔道世界一を日本に奪い帰す日を目指して共に闘っていくことを誓いあうのであった。

●あらすじ:(週刊少年マガジン連載バージョン)
無敵の新しい柔道をつくりあげる野望に燃える青年・風巻竜。赤貧の科学者・ハリス博士との出会いにより“ハリス流柔道”の完成を共に目指す。大秘術スクリュー落としを編み出し、日本選手権大会に参加した竜は決勝戦まで勝ち進む。だが新たな敵・柔術新撰組の策謀により竜は不戦敗で敗れてしまうばかりか、ハリス博士を亡くしてしまった。悲しみを乗り越え、竜は単身ハリス流を守り育てる決意を新たにする。講道館で学ぶ友人・団と小百合らの支えや励ましにより、空気投げの舟木明、ミラクルCのロバート・南郷、パーフェクト地獄のパーフェクトらライバル達に勝利する。そして昭和39年、東京オリンピックが開催。特別級に出場した竜は新秘術・五輪回転投げで強敵・ヘーシンク二世を敗り金メダルを獲得。 一躍有名人となった彼を倒し、自らがつくりあげた柔道“逆流”を天下に広める野望に燃える青年・天童三郎太が現れた。舞台は故郷・熊本に移り、師・うめぼし和尚との再会を通じての戦いは、竜に新たな悟りを開かせたのだ。東京に戻ったある日、車椅子の不良少年・栄一と出会った竜は、柔道の正しい精神で彼を更正させようとする。始めは反発していた栄一だが、自らを捨てて行動する竜の姿に目を覚まし改心する。柔術家として、一人の人間として風巻竜は大きく成長した。だがハリス流が目指す柔の道はこれからも続くのだ。

●BONはこう読む!:
天下の講道館柔道に属さず、自身の追究する新しい柔道をつくるというビジョンに燃える主人公の物語。そう書けば、幾多の苦難や悲劇、妨害に単身挑むドラマが展開されると思うのだが、実際は次々現れるライバル達との必殺技対決とそのドラマがメインとなる(もちろん苦難も多少描かれるが、吉田氏の絵のタッチのやわらかさが重いイメージを軽く見せている)。だが時代は1963年。体制に背く主人公の苦闘のドラマを少年誌で描くには、まだ早かったということだろう。そういった意味でも、本作は早すぎた“柔道”バカ一代なのかもしれない。

●単行本:
秋田書店/サンデーコミックス全3巻(未完結)
マンガショップ/マンガショップシリーズ 上中下巻 
※サンデーコミックス版に未収録エピソードを加えて再編集した完全版


●その他:
※雑誌連載と単行本収録順が異なり、未収録エピソードや台詞の改ざんも多い。

備考:連載分と単行本の比較 ※台詞については7割以上(管理人独断比)変わってるのでここでは取り上げません。
1963

号数

単行本収録該当頁
変更点
ストーリー補足、その他。
51 第1巻/p.6-21

連載時はp.6-7で1頁。p.7下段コマ単行本書き下ろし。
最終頁は次回と重複のためカット。

小百合が団を紹介するコマ(p.15)で、「プロレスラーみたいな人」という表現が、連載版では「西鉄の中西監督みたいな人」となっている。

52

第1巻/p.22-36 連載版最終頁は次回と重複のためカット。 世界選手権の会場がフランスからパリに変わっている。

1964


単行本収録該当頁
変更点
ストーリー補足、その他。
1 第1巻/p.37-50 最終頁は次回と重複のためカット。 覆面レスラーXの挑戦相手が力道山からジャイアント馬場に変更されている。Xとの勝負の際、ハリス博士は竜に黒い柔道着を与えているが、連載版では竜が着ていた柔道着を渡しており、その意図を竜自らが語っている。

2

第1巻/p.51-57、59-67 p.58は単行本書き下ろし。p.67の下段は2コマを1コマに加筆改編。
最終頁は次回と重複のためカット。
「必殺わざ」が「秘術」と表現。

3/4

第1巻/p.68-82 必殺わざ→秘術。p.77下段コマ単行本書き下ろし。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし

5

第1巻/p.83-99 最初の頁は前回と重複のためカット。p.98の2段目のコマ書き下ろし。p.99の下2段分書き下ろし。連載版はp.98-99で1頁。 p.82-83の間に、相手をこまに、自らをひもに例えて秘術の手がかりを博士に語るシーンがある。

6

第1巻/p.101-104、
107-111

p.100、p.105-106は単行本書き下ろし(p.105の1段目のコマは次号の連載分から使用)。
p.104-107の間で連載版5頁分未収録。最終頁はp.121に使用。
大河原四段にいきなりスクリュー落としを使うのでなく、幾つかの技のやりとりがあった。

7

第1巻/p.113-115、119、
122-123

p.112は単行本書き下ろし。p.112-113の間で連載版2頁分未収録。p.115の1段目のコマ単行本書き下ろし。p.114-115の間で連載版1.5頁分カット。p.116上段4コマとp.117下段1コマは単行本書き下ろし。p.117-118の間に連載版3頁未収録。p.118は単行本書き下ろし。
p.120は単行本書き下ろし。p.121は前号最終頁から使用。
最終頁はp.123左下に1コマ使った他は未収録。

闇剣之介の講道館破門の理由は、試合中、既に気絶している相手をもう一度叩き付けて殺ししまったためだった。闇VS団は準決勝戦となってるが連載分では準々決勝戦で、竜の為にすすんで地獄投げにかかる決意を話す。

8

第1巻/p.124-134

p.124の1コマから2コマの間に連載1頁分がカットされ、以降p.128まで頁調整改定。p.131連載該当頁改定&下段2コマは単行本書き下ろし。p.131-132の間の連載1頁分カット。最終頁上1コマをp.134へ使用して他は未収録。

前号の団の行為を「友情」と語る竜に対して、あまっちょろいことだと強がるというやりとりがあった。

9

第1巻/p.134-145

p.139の上半分とp.140下半分とp.141の上半分は単行本書き下ろし。p.145の最下段のコマは単行本書き下ろし。
以降連載分2.5頁分が未収録。

地獄投げを見事防いだ竜の姿に慌てる闇剣之介の「おれのじごく投げがつうじなかった…」等の台詞があった。

10

未収録
  東京都代表を決める決勝戦。竜は突如あらわれた男達の襲撃を受け、拉致されてしまう。

11

第2巻/p.8-13
前号から継続で10.5頁が未収録。p.6-7は単行本書き下ろし。
p.8下段1コマとp.9下段2コマは単行本書き下ろし。

柔術新撰組にさらわれた竜は、日本選手権決勝に出場出来ず不戦敗。地獄投げにより入院した団を見舞った本堂5段を見送る帰りに新撰組に襲われた。単行本では団にあった頭の包帯が消されている。

12 第2巻/p.14-15、17-29
p.16は1964.10号から2コマ使用して作られたもの。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし

13

第2巻/p.30-39、41-46 p.40は単行本書き下ろし。p.39は連載時の該当頁の最上段コマをカットして最下段コマの書き下ろしを追加。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし

14

第2巻/p.47-61 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし

15

第2巻/p.62-77 p.77の2段目以降書き下ろし。 重症を負ったハリス博士を診察した医者は、竜たちに衝撃の告知を…。

16

未収録   柔術新撰組の自殺ぜめをうけたハリス博士は命を落としてしまう。博士の墓前で新たな決意を固める竜の前に、無気味な技を使う謎の青年が現れる。

17

第1巻/p.147-157

p.146は単行本書き下ろし。p.152は連載時の該当2頁分を半分づつ合わせられた。最初の2頁と最終頁はカット。

団と小百合が竜を講道館に入門させようとしたのは、ハリス博士を亡くして1人になったことも理由だった。謎の青年の名前が舟木明と分かる。
18 第1巻/p.158-162  p.158-159の間に連載分2頁が未収録。p.162下段2コマは単行本書き下ろし。以連載8頁分未収録。 竜を元気づけようと花見に繰り出した星川親子と団。その場にまたも現れた舟木。
19 第1巻/p.163-172
前号から続く5頁分が未収録。p.163の上2コマは単行本書き下ろし。 空気投げの威力をまざまざと見せつけられる竜はあせる。2階から落ちた竜は空気投げの“弱点を見つけた”と断言している。

20

第1巻/p.173-175、177- p.172-173の間、連載分1頁分カット。p.175下のコマと3段目左のコマ書き下ろし。p.176書き下ろし。p.177上2コマ書き下ろし。p.180の2〜3段書き下ろし。p.180-181の間で連載分6頁未収録。連載最終頁下半分がカット。 星川寿司に巨人の長島、王、広岡選手が来店。竜は舟木の空気投げ打倒のヒントとして、彼等からバッティングの秘けつを教わった。
21 第1巻/p.182-195、197 p.194下2コマ書き下ろし。p.195上1コマ、下2コマ書き下ろし。p.196書き下ろし。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
22 第1巻/p.198-212 p.198左上1コマ書き下ろし。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
23 第1巻/p.213-226 p.214-215の間、載分1頁分未収録。 単行本では「空中岩石おとし」と名付けらえた竜のキメ技は、連載版では「空中かた車」だった。試合後のインタビューで、長島選手の打撃についてのくだりは、20号の未収録シーンに繋がっていたが単行本では台詞が変わっている。
24 第1巻/p.227-241 p.227の上2コマ書き下ろし。p.239該当連載頁上2コマをカット、以降p.241迄送り込み。p.241下の1コマ書き下ろし。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし

25

未収録   第二の秘術をあみだすために日本アルプスで修行中の竜は二世柔道家・ロバート南郷と出会う。
26 未収録   第二の秘術を完成させ、東京に戻った竜。一方、プロレスラーの公開練習に飛び入りしたロバート南郷は秘術ミラクルCを繰り出した!
27 未収録   完成させた秘術だが、あまりの威力に竜は練習をためらう。
28 未収録   第二の秘術、その名もハリス流ぎゃく引力投げ!竜と対戦を実現させるべく、謎の男がロバート南郷に接近する。
29 未収録   プロ柔道のプロモーター権藤。彼の策略により星川寿司に危機が迫る。

25

未収録   第二の秘術をあみだすために日本アルプスで修行中の竜は二世柔道家・ロバート南郷と出会う。
26 未収録   第二の秘術を完成させ、東京に戻った竜。一方、プロレスラーの公開練習に飛び入りしたロバート南郷は秘術ミラクルCを繰り出した!
27 未収録   完成させた秘術だが、あまりの威力に竜は練習をためらう。
28 未収録   第二の秘術、その名もハリス流ぎゃく引力投げ!竜と対戦を実現させるべく、謎の男がロバート南郷に接近する。
29 未収録   プロ柔道のプロモーター権藤。彼の策略により星川寿司に危機が迫る。
30 未収録   謎のひき逃げ事件。星川親子が抱えた多額の示談金のために竜は権藤の事務所へ。
31 未収録   プロ柔道家として権藤と契約を交わした竜はどさ回りの旅に出る。
32 未収録   東京に戻った竜と南郷は後楽園でついに対決する!
33 未収録   ミラクルCの威力に劣勢の竜。しかし、勝機の糸口をついに掴んだ!
34 未収録   世紀の対決は竜の勝利に終った。アマチュア資格も取り戻し、来る東京オリンピックへ闘志を燃やす!
35 第2巻/p.79-93 p.78は単行本書き下ろし。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
36 第2巻/p.94ー107.111 p.103上段コマ単行本書き下ろし。p.105下段コマ単行本書き下ろし。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし。権藤再登場。
37 第2巻/p.108-110. 112-124 p.108下段コマ単行本書き下ろし。p.116左下縦2コマ書き下ろし。p.117下段コマ書き下ろし。 ロバート南郷戦がカットされているので、それに関する台詞も変更されている。
38 第2巻/p.125-139   ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
39 第2巻/p.140-152 p.143-144の間にある連載分1頁分がカット。p.151の下2コマ連載分の改編。p.152-153の間にある連載分2頁分がカット。 最後の2頁では、パーフェクトと闘うことを決意した竜の心情を小百合に話すシーンがカットされた。
40 第2巻/p.153-167

p.153-154は連載分のコマ改変。p.154上から3段めのコマ書き下ろし。

ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
41 第2巻/p.168-181 p.181は連載2頁分の改編。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
42 第2巻/p.182-197 p.185-187は連載3頁分の改編。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
43 第2巻/p.198-212   ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
44 第2巻/p.213-225

p.212-213の間は連載2頁分カット。

ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
45 第2巻/p.226-238 p.238左半分の縦コマは書き下ろし。以降連載分3頁分がカット。 パーフェクトを見送った空港に降り立つヘーシンク六段。つい東京オリンピックは開催された!新しい秘術をあみ出そうと竜の心は焦る。
46 第3巻/p.6-19 p.5とp.6の上下各2コマは単行本書き下ろし。 オリンピック村を訪れた団と小百合。世界的な大選手達を見かけるにつれ、竜が遠い存在になってしまう寂しさを感じる団。
47 第3巻/p.19-33

p.19の左下2コマは今週連載分から使用。

ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
48 第3巻/p.34-48 p.34は連載2頁分を改編。p.38-43は連載4頁半分を改編。p.44の下半分3コマとp.45上のコマは単行本書き下ろし。p.43の3段目と4段目の間に連載約1頁分がカット。 オリンピック4日目。1万メートル決勝で、ナイロンのガルナナンダ選手の実在のエピソードを通じて、オリンピック精神を語る竜。
49 第3巻/p.49-63   ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
50 第3巻/p.64-76 p.63-64の間、連載2頁分カット(前号の簡単なあらすじ) ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
51 第3巻/p.78-92 p.77は単行本書き下ろし。連載分最終頁の下半分がカット。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
52 第3巻/p.92-106 連載分本編最初頁の上半分3コマがp.92で使用。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし

1965

号数

単行本収録該当頁
変更点
ストーリー補足、その他。
1 第3巻/p.106-121 P.106最後の2コマは本号より使用。P.117大コマ書き下ろし、以降P.119迄は連載2頁分を改編。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
2 第3巻/p.122-136   ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
3.4 第3巻/p.137-152 P.142最後のコマ書き下ろし。P.144-149は連載分4頁を改編(※P.145は書き下ろし) ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
5 第3巻/p.153-165 連載分最初と最後の1頁分カット。P.165左下のコマが書き下ろし&頁改編 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
6 第3巻/p.166-180 P.175の最後2コマと176の頭1コマは連載分の改編 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
7 第3巻/p.181-194 P.181-182は連載分の改編。連載分最後の頁はカット。 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
8 第3巻/p.195-210 P.207書き下ろし ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
9 第3巻/p.211-225 連載分最初の1頁分カット。P.165左下のコマが書き下ろし&頁改編 ストーリーに支障が無い程に台詞の変更がある意外特になし
10 第3巻/p.226-237
2頁分未収録。
単行本p.238は描きおこし。 天童との対決の翌朝、竜の元へ小百合から電報が入る
11 未収録   三船久蔵が亡くなった。その追悼試合で新秘術・山彦がえしが炸裂!
12 未収録   からだの不自由な不良少年・栄一と知り合った竜・小百合・団。
13 未収録   竜に対して心を閉ざす栄一は、家を出て暴力団の事務所へ。
14 未収録   栄一を救おうと事務所に乗り込んだ竜は、捕らえられてしまう。
15 未収録   星川親子と団の助けにより事件は解決。竜の友情はついに栄一に届いた。