「でも たえまないたたかいのために 月や花を見てうつくしいとおもう心までなくしてしまうのは さびしすぎる」

FILE#7「ふりそで剣士」(画:東浦 美津夫)



週刊少女フレンド連載/1963.40号〜1964.11号

●あらすじ:
慶長17年。甲斐の国(今の山梨)にある若葉城に雪姫という勝ち気な娘がいた。彼女は幼い頃に母を亡くし、当主である父も家老・大田黒の策略によって命を奪われた。徳川側に取り入る為に重税をかける大田黒の悪政から城下の人々を守り、父の仇を討つ事を誓った雪姫は男に身を変え“ふりそで剣士”と名乗った。戦いの中で、志を共にする野武士集団・疾風一族と、その師・宮本武蔵との出会い。武蔵の指導により、雪姫は剣の腕前をあげていく。己の野心の為に、雪姫の暗殺と疾風一族を滅ぼそうとする大田黒は、殺し屋や忍者を送り込んだ。幾多の危機が彼女達を襲い、一族は離散。雪姫はリーダーの疾風之介と2人で戦いを続けていた。そして最後の使者・女忍者美鬼の催眠術により、凶暴となった大勢の犬達に襲われた2人。彼女を守る為に自らの身体を投げ出した疾風之介は命を落としてしまった。彼の行動にうたれた美鬼は、大田黒を裏切り彼女の復讐を叶えさせようとする。翌日、美鬼によって捕われたフリをして大田黒に近付き、自らの剣で遂に父の仇を討った雪姫。彼女は牢に入れられた家来達を救い、若葉城をおさめて城下の人々と幸せに暮らすようになった。

●BONはこう読む!:
タイトルから、少女の胸のすく活躍振りを期待すると肩透かしを喰らうだろう。本作は、雪姫と疾風之介のラブスト−リ−なのだ。ある誤解から一度は雪姫を殺そうとするが、その美しさに心を奪われた疾風之介。彼は“ふりそで剣士”の正体が雪姫である事を知らずに彼女を戦いを続けている。一方、彼を愛するようになる雪姫は、自分の正体を告げられず悩む。そんな2人の愛の悲劇的結末はまさに梶原ワールド!愛する者を守る為に自らを犠牲する姿を見て敵側が心うたれる展開に、『愛と誠/花園実業高校編』のクライマックスを思い出した。


●単行本:
宏文堂刊 全2巻

●その他:
※単行本収録分には、連載時の未収録頁が多数存在する。
→昭和38年40号(p.40〜41の見開きが、単行本では1頁に描き直し。p.49描き直し。p.56未収録。)
→昭和38年42号(p.38とp.54未収録。)
→昭和38年44号(p.36とp.52未収録。)
→昭和38年45号(p.175未収録。)
→昭和38年49号(p.148と162未収録。/p.148は単行本では2頁の描き下ろし)
→昭和38年50号(p1001コマ目。p.114未収録。)
→昭和38年51号(p.101とp.110未収録。)
→昭和38年52号(p.114未収録。)
→昭和39年1号(p.173〜174未収録。)
→昭和39年2号(p.202が単行本1巻に落丁収録。本号P.212と3号P.168が単行本では入れ代わっている)
→昭和39年3+4号(p.173〜178未収録。)
→昭和39年5号(全て未収録。)
→昭和39年6号(p.166〜175未収録。)
→昭和39年11号(最終頁の下半分の次週予告が奥付に変更)
参考資料:「まんだらけZENBU」2004.22号